高級老人ホームの真の実態は？入居に失敗したくない方必見の虎の巻

高級老人ホームを探しはじめる前に、「高級老人ホームの実態を知っておきたい」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
高級老人ホームの実態を確認するには、入居に失敗した方の事例を知る、高級老人ホームに詳しい老人ホーム選びのプロに問い合わせるといった方法を取るのが推奨されます。
食事や人間関係が想像と違っていた、自分の希望の施設を選べなかったなど、失敗したと感じる理由は人によって異なります。事前に十分なリサーチをしておくことが施設選びに失敗しないポイントです。

今回は、入居失敗事例から見えてくる高級老人ホームの真の実態と施設選びに失敗しないための虎の巻を紹介します。気になる方は最後までご覧ください。

入居失敗の事例から見える高級老人ホームの実態

高級老人ホームを探すとき、多くの方は施設のホームページを参考にします。しかし基本的にホームページには、施設のよい面しか書かれていません。
また、高級老人ホームに対する口コミは案外少ないものです。
高級老人ホームの実態は、入居に失敗した方の事例から読み取ることができます。以下に失敗例を紹介していきましょう。

試食したにもかかわらず食事が合わない

高級老人ホームへの入居を具体的に検討する際、施設の見学と食事の試食をおこなう方がほとんどです。
それにもかかわらず、入居後に食事が合わず退去してしまう方がいらっしゃいます。理由としては、

• 試食で出された食事は特別食だった
• 試食時の丁寧な対応を普段も受けられると勘違いした

以上のように、施設と入居者の認識の違いによるものが挙げられます。それでは、実際の具体例を見ていきましょう。

試食で提供されたのは「特別食」

見学時の試食で食事を気に入り、高級老人ホームへの入居を決めた70代女性。しかし、入居後に出された食事は試食の時よりも味が薄く、旨味を感じられません。
なぜ試食時と味付けの濃さが違うのか施設に確認したところ、試食で提供した食事は特別食仕様で、普段の食事は薄味にしているとの説明を受けました。
どうしても味付けに我慢ができなくなった女性は、後に退去を決意します。

高級老人ホームは、一般的な老人ホームよりも食事が美味しいことが特徴です。しかしながら、「高齢者に提供する食事」という前提がありますので、どの施設も健康に配慮した食事を提供しています。
また、見学時の食事については、見学者からのリクエストがない限り、施設側が選んだメニューを提供するのが一般的です。

細かい味付けについても、施設によって差は大きく、濃い味付けが好みの方や偏食傾向のある方は、注意が必要でしょう。

試食時の気遣いをサービスだと思い込んだ

食事のおいしさを重視し、試食会への参加を重ねたうえで、専属シェフが配属されている高級老人ホームへの入居を決めた80代男性。食事の味付けには満足していましたが、苦手な食材が使用されることに違和感を覚えます。
なぜかというと、試食会のときには好き嫌いを尋ねてくれるなど、スタッフのホスピタリティの高さに魅力を感じていたからです。
しかし、入居後の普段の食事では、身体状況に応じた食事サービスはあっても、好き嫌いまでは聞いてもらえません。
このことをきっかけに、食事以外のサービスやホスピタリティについても不信感を抱くようになりました。戻る家のない男性は、今も不満を抱えながら同じ施設で生活しています。

見学案内をしてくれる施設スタッフは、自分の施設に入居してもらおうと普段はおこなっていない気遣いを見せる場合があります。
施設のよい面ばかりに気を取られ、特別な気遣いを普段のサービスだと勘違いするのはありがちなケースといえるでしょう。

他の入居者と価値観が合わない

高級老人ホームでの生活は、食事や集団リハビリ、レクリエーションなど、他の入居者と交流する場面が多々あります。
他の入居者と価値観が合わないと、話す内容に困ったり、人間関係にストレスを感じたり、精神面に負担がかかります。
ここでは、他の入居者と価値観が合わず退去や転居を決意した方の事例を紹介します。

自慢話がはじまる

仲のよかった夫に先立たれ憔悴していた70代の女性は、息子のすすめで高級老人ホームへの入居を決意。女性はいくつか条件を挙げ、施設探しは息子に一任しました。
息子が見つけてくれた施設は、立地・眺望・設備いずれも素晴らしく、入居を即決します。しかし、楽しい新生活も束の間、女性は他の入居者との価値観の違いに悩みはじめます。
女性はもともと気さくな性格で庶民的な会話を好みましたが、他の入居者は気位が高く、会話の端々に配偶者の地位や資産の自慢が感じ取れます。他の入居者の自慢話にうんざりした女性は、退去を決断しました。

高級老人ホームに暮らす方の多くは富裕層です。また当然のことですが、入居者ごとに性格や価値観は異なります。
自慢話が好きな方や入居者同士のヒエラルキーを気にする方が居住していることは十分にあり得るでしょう。

上級の生活に合わせるのが疲れる

突然妻を亡くし、一人暮らしとなった70代の男性。家事ができず、家の中がゴミ屋敷状態となり、娘から老人ホームへの入居を勧められます。
資金は十分にあるため、豪華な設備、最高のロケーションに恵まれた高級老人ホームに入居。しかし入居からたった3ヶ月で疲れを感じるようになります。
この施設では、共有スペースにいる周りの入居者が常におしゃれをしていました。ラフな服装で過ごせないと感じた男性は着飾った自分を保つ必要性にかられます。
その状況が疲れの起因になっていることに気づいた男性は、本来の自然な姿でも過ごせるような別の施設に転居を希望しています。

入居一時金が数千万円以上と費用が高額な高級老人ホームは、主にハイソサエティな暮らしを続けていた方が入居されます。
施設の豪華さにふさわしいファッション、ふるまいをされる入居者が多い傾向です。

集団生活になじめない

高級老人ホームのメインの生活の場は居室ですが、食事の時間、アクティビティの時間などは共用スペースで過ごすことが多く、集団生活といっても過言ではないでしょう。
そのため、周りの入居者の声が気になったり、周囲とのコミュニケーションがうまく取れないなど疎外感を感じたりする場合があります。集団生活になじめなかった事例を2つ紹介していきましょう。

他の入居者の会話がうるさく感じる

夫の急逝で無気力となり、自宅に引きこもるようになった80代の女性。歩けなくなることを危惧した娘の勧めもあり、趣味のガーデニングが楽しめそうな高級老人ホームに入居しました。
しかし施設の生活は想像と大きく異なります。共用スペースで入居者同士話す声がうるさく感じ、他の入居者と会話をしても陰口ばかり。さらに、スタッフからの声がけは幼稚園児に語りかけるような口調。ガーデニングのサークルも土をいじるだけで本格的な内容ではありませんでした。
結果、居心地の悪さから自室に引きこもってしまいます。入居から半年、我慢の限界を迎えた女性は他の施設に転居しました。

サークル活動やレクリエーションが活発な高級老人ホームは、活気があり賑やかな反面、人によってはうるさく感じてしまうことがあるようです。
また、高齢者は耳の遠い方も多く、声が大きくなりがちなのも一因でしょう。
スタッフの対応も施設によって異なる部分であり、家族のようにフランクに接する施設もあれば、お客様として接客するような施設もあります。

遠方の施設へ入居したことによる疎外感

夫を亡くし14年間ひとりで生活してきた80代女性。頼れる身内も少なく、終の棲家として憧れだったおしゃれな街の高級老人ホームに入居します。
入居後はリゾートホテルと変わらない上質なサービスにとても満足。友人もすぐにできて楽しく毎日を過ごしていました。
しかし、友人は皆この街に長く暮らす人達。親しくなるにつれ、地元の話題が中心となっていきます。
部外者扱いするかのような友人らの態度に強い疎外感を感じた女性は、自室に引きこもりがちになってしまいました。

地元志向の強い施設が存在する理由として、高級老人ホームに限らず介護施設へ入居される方は、環境の変化にためらいがあり、住み慣れた街を選択するケースが多いことが挙げられます。
特に介護認定を受けている場合、居住の市区町村が変わると担当ケアマネージャーも含めた変更手続きを取る必要があり、負担が大きくなります。これも地元の施設を希望する方が多くなる理由の1つといえるでしょう。

スタッフの声がけがしつこい

高級老人ホームは、至れり尽くせりの手厚いサービスをおこなってくれる施設がほとんどです。
しかし、入居者の性格によってはスタッフの過剰なサービスをうっとうしく感じてしまうこともあります。以下にスタッフの声がけを煩わしいと感じてしまった方の事例を紹介しましょう。

見守りやサービスが過剰に感じる

妻を亡くし、はじめて一人で暮らすことになった80代男性。家事のできない男性は生活が立ち行かなくなり、お手伝いさんの雇用も気が進まず、子ども達の勧めで高級老人ホームに入居します。
高級感あふれる施設には、愛犬とともに暮らせる広い居室、趣味の音楽が楽しめる共有スペースがあるなど、安心して快適な暮らしができると確信していました。
しかし、もともと口数が少なく人付き合いも苦手な男性は、顔を合わせるたびに声をかけてくるスタッフに煩わしさを感じるようになります。
施設に相談をしても声かけは安否確認のために必要な仕事だといわれてしまい、耐えられなくなった男性は結局、退去することを選択します。

高級老人ホームの手厚い見守りやサービスは入居者や家族にとって安心材料の1つです。
ただし、入居者の性格によっては過剰に感じることもあるでしょう。高級老人ホームの方針がどんな入居者にとってもマッチするとは限りません。

突然介護が必要になり施設を選択できなかった

そもそも入居する高級老人ホームを自分の意思で選べなかったというのも、入居失敗の理由の1つに挙げられます。
突然介護が必要になったことで、家族が本人の意思と関係なく入居施設を決めてしまったケースを紹介しましょう。

希望条件を出し過ぎて施設が決まらない間に体調を崩す

いつかは老人ホームへ入居しようと考えていても、急な体調の変化で希望する条件の施設に入居できなくなることがあります。

• まだ健康だからと入居の検討を先延ばしにしていた
• 入居検討を始めているが、希望条件にこだわりすぎている

以上のように、施設がなかなか決まらないという方は多くいらっしゃいます。
しかし、施設を探している間に体調を崩し、結果、自分の希望とは程遠い環境の施設に入居せざるを得なくなった方は案外多いという現状があります。
高齢になるといつ何が起こるかわからないことを念頭に入れておく必要があるでしょう。

家族が勝手に施設を決めた

突然妻を亡くした80代の男性。ひとりでの生活は難しいと子どもや姪から老人ホームへの入居を勧められました。
しかしプライドが許さず、断固拒否。生活は次第に荒廃し、栄養失調と軽度の認知症を発症します。病院に入院したことで体調は安定しましたが、退院後の生活先として、子どもが勝手に老人ホームを決めてしまいました。
入居した老人ホームは交通が不便な場所にあり、居室も狭く、楽しみが何もありません。
早い段階で施設への入居を決断しておけば、もっと快適な生活が送れる老人ホームを選択できたはず……男性は強く後悔することになりました。

一定数の高齢者は、他人の世話にはなりたくないと老人ホームへの入居を拒みます。
しかし、子どもをはじめとする家族が介護を担えない場合、体調を崩したり、身体が不自由になったりした段階で、本人の希望を聞くことなく、家族が勝手に施設への入居を決めるケースはよくある話です。

高級老人ホーム入居に失敗しないための虎の巻

高級老人ホームの入居に際して失敗を防ぐためには、食事や提供サービスの実態をきちんと把握して、自分らしく暮らせるか、他の入居者とうまくやっていけそうかなど十分なリサーチをおこなう必要があります。
さらに元気なうちに希望する施設を決めておくこともポイントです。

食事は平常時出されているものを試食

高級老人ホームへの見学時、施設内覧と併せて食事の試食ができる施設がほとんどです。
しかし、通常の食事ではなく、施設のイベント時に出されるような特別食を提供されることがあります。
特別食は、高級食材を用いていたり、普段より味付けを濃くしていたり、通常の食事より豪華でおいしい状態のもの。平常時とはメニューや味付けが異なります。
試食会では平常時の食事を提供してもらうように依頼してみるとよいでしょう。

どこまで個別対応してくれるか確認

食事に関してこだわりがある場合は、事前に味付けの調整や食材の好き嫌いに配慮してもらえるか確認しておきましょう。
好き嫌いが多く偏食の傾向がある方は、複数のメニューから選択できる施設や、レストラン形式でオーダー制の施設を選ぶのも1つの方法です。

自分の生活スタイルに合う施設を選択

高級老人ホームの生活スケジュールと自分の生活スタイルが合わなければ、日々の暮らしに苦痛を感じてしまうでしょう。
例えば、食事、リハビリ、レクリエーション、入浴などタイムスケジュールがきっちり決まっている施設は、自由な生活を送りたいという方には向いていません。
また、いつも自然体で過ごしたい方にとっては、入居者が常におしゃれで気を張っているような環境は居心地の悪さを感じてしまうでしょう。

人によって馴染んできた生活スタイルは異なります。
入居を検討している高級老人ホームの自由度や入居者の方々の生活スタイルの傾向を確認し、自分の志向に合う施設を選びましょう。

入居費用が高額でも自分に合うとは限らない

一口に高級老人ホームといっても、入居一時金は1,000万円～数億円と大きく幅があります。
高額になればなるほどさまざまなサービスがあり、設備も豪華で充実しますが、その分入居者の意識の高さも上がる傾向にあります。
周囲と協調するために無理をして暮らすのはストレスのもとです。自分の身の丈に合う施設を選ぶのもポイントといえます。

入居者の属性をできる限り把握する

老人ホームでは、食事やレクリエーション等、他の入居者と一緒に行動する機会が度々あります。
他の入居者と価値観が大きくずれると、話の輪に入れず疎外感を感じたり、付き合いが面倒になったり、生活を楽しめなくなるおそれがあるでしょう。
その状況を防ぐには以下のような入居者の属性を確認することが推奨されます。

• どのような趣味を持たれている方が多いのか
• 現役時代はどのような仕事をされていた方がいるのか
• 入居前にはどのエリアに住んでいた人が多いのか（地元出身の方の割合等）

個人情報に触れない範囲であれば、施設のスタッフから情報を得ることができるでしょう。事前に確認を取り、ミスマッチを防ぐようにします。

入居者の平均年齢や介護度は重要事項説明書で確認できる

入居者の平均年齢や男女の割合、介護度などは、高級老人ホームの「重要事項説明書」でも確認することができます。
重要事項説明書は、宅地建物の取引において契約上重要な事項が記されている説明書です。
高級老人ホームの場合、施設側が施設の概要やサービスについて重要な事柄を入居予定者に説明する必要があり、この重要事項説明書が用いられます。

高級老人ホームにおける重要事項説明書には、運営元や施設の概要、サービスの内容のほか、老人ホームに入居している利用者の人数や性別、年齢、入居期間、介護度などが明記されています。
重要事項説明書からわかる情報は意外と多く、客観的に施設の状況を把握することができます。

なお、重要事項説明書は、施設のホームページや自治体のホームページなどに掲出されています。高級老人ホーム選びの参考にするとよいでしょう。

見学でスタッフの距離感や施設内の雰囲気を確認

高級老人ホームの見学では、スタッフの声かけの頻度や対応、入居者との距離感などをしっかり観察します。
高級老人ホームによっては、スタッフの丁寧すぎる接遇に疲れてしまうことも考えられます。十分に注意したい確認ポイントといえるでしょう。

また、施設内の雰囲気もチェックしておきたい内容です。
全体的に明るく賑やかな雰囲気なのか、静かで落ち着いた雰囲気なのかを確認します。例えば、静かな環境を好む方は、落ち着いて過ごせるスペースが多い施設を選択するとよいでしょう。

既存の入居者への対応を見る

高級老人ホームにとって、見学に訪れている入居検討者はお客様です。スタッフが丁寧な対応をするのは当然のことでしょう。
大切なのは、入居後も同様の対応をしているか？という部分です。
スタッフを観察するときは、既存の入居者へも丁寧な対応をしているか、どのような声かけや配慮をしているか、様子を見られる範囲でよく確認するようにしましょう。

元気なうちに入居検討をはじめる

元気なうちに入居検討をはじめるメリットは、自分自身で高級老人ホームを吟味し、自分で選んだ施設に入居できるということです。
介護が必要になったり、認知症になったりしたあとでは、自力での情報確認や見学が難しくなるでしょう。
また、入居可能な施設の選択肢が狭くなるうえに家族が施設を決めてしまうケースも少なくありません。

高齢者は、今健康な状態でも、いつ体調を崩すかわからないリスクがあります。納得のいく施設に入居するためにも、早めの入居検討が推奨されます。

自立が入居条件の高級老人ホームがある

高級老人ホームのなかには、入居時の条件として自立の状態が求められる施設があります。
特に超高級老人ホームと呼ばれる入居一時金が数千万円～数億円の施設は自立を条件とする傾向にあり、入居以前に介護が必要になってしまうと入居することができません。
豪華かつサービスの行き届いた高級老人ホームで、何不自由ない優雅なシニアライフを送りたいと考えている方は、健康なうちに施設選びをスタートさせましょう。

老人ホーム選びのプロに相談して失敗を防ぐ

自分だけで高級老人ホームを探すデメリット

後悔のない高級老人ホームへの入居を実現したければ、懸念事項を1つずつ解消していく必要があります。
自分1人でそれらを確認していくのは、大変な手間と時間がかかるでしょう。また、自分だけで高級老人ホームを探すと、客観的な判断や評価ができなくなるおそれがあります。

高級老人ホームは施設の内外装が豪華ということもあり、よい面ばかりが目に留まって、悪い面に気づくことができないケースは少なくありません。
また、入居を成約させたいスタッフの思惑にうまく乗せられ、契約を決めてしまうといったデメリットも発生します。

老人ホーム選びのプロに相談するメリット

老人ホーム選びのプロは、あらゆる高級老人ホームに精通し、施設の実態についても詳しい人材が揃っています。
プロへの相談は、高級老人ホームの謳い文句に惑わされず、公平な視点による施設選びのアドバイスをしてもらえるメリットがあります。

そのほかにも、自分では直接施設に質問しづらい内容を代わりに聞いてもらえたり、見学日程の調整をおこなってくれたりと複数のメリットがあるのも特徴です。
プロの手を借りながらの施設探しは失敗が少ない手段といえるでしょう。

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