78歳男性「ランキング上位なら間違いなし!」と思ったが…「老人ホーム」選択ミスの理由【富裕層の老人ホーム選び、失敗談】

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半年前、妻に先立たれ、老人ホームへの入居を決めた佐野建夫さん(78歳/仮名)。どうせ入居するなら最高ランクのところが良いと、ビジネス雑誌に掲載されていた「老人ホームランキング」の中から自宅に近いところを選び、すぐに入居をしました。部屋は広く、サービスは充実、食事も美味しいのですが、佐野さんの心は徐々に沈むように……。最高ランクの老人ホームでいったい何があったのでしょうか。

「親を老人ホームに入居させたいけれど、どの施設にすればよいのだろうか?」「他の人は老人ホームをどのように選んでいる?」
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妻が急逝。このままでは自宅がゴミ屋敷に!

娘3人を嫁がせ孫も誕生。夫婦二人の生活を楽しんでいた佐野さんですが、妻が予期せぬ事故で急逝。突然一人暮らしとなってしまいました。家事をほとんどしてこなかったので、あっという間に家の中は散らかり放題。食事は一日一食、近所の弁当屋で購入してきますが、栄養状態は思わしくなく体重は徐々に減少しています。

見かねた娘たちが老人ホームへの入居をすすめてきました。「今は自宅と過ごすのと変わらない生活ができる」「広い部屋を選べるし、お父さんの好きな海の近くのホームもある」とパンフレットを持ってきて力説します。

自宅に強い思い入れがあるわけではなかったので、ゴミ屋敷にするよりは施設に入るほうがよいだろうと自分でも判断できました。ただ、自分の住まいは自分で選びたいという思いもありました。

夢だった海を眺めながらのセカンドライフが始まる

大手商社で役員まで務め、金融にも明るい佐野さんには、手元に十分な資金がありました。老人ホーム選びに際しても、費用面での心配はありません。

せっかく入居するなら最高級の老人ホームを選びたいと考えました。愛読しているビジネス雑誌の何号か前に「老人ホームランキング」の記事が載っているのを思い出し、ページをめくってみると、名だたる建設会社、不動産会社、医療や介護のグループ企業が経営する老人ホームが並んでいます。

高級ホテルのような外観と内装、設備も充実しているのがわかります。経営母体がしっかりしていれば不安はないし、ランキング上位なら間違いないだろうと考え、トップ30位までの中から自宅から離れすぎず、海が見えるところをピックアップしました。若いころヨットが趣味だったこともあり、亡き妻と、セカンドライフは海の近くでと話していたことを思い出したのです。

全室オーシャンビューで居室の広いところが目に留まり、さっそく連絡してみると空室があると言います。すぐに長女に連絡をして、見学に付き合ってもらうことになりました。

実際に足を踏み入れると、エントランスから豪華で圧倒されました。居室は1LDKで60平米。プライベートバルコニーにはベンチとテーブルが置かれ、そこから太陽にきらめく海が望めます。海岸線をたどるとヨットハーバーがあり、佐野さんの心を高揚させました。敷地内には遊歩道があり、散歩やジョギングができるようになっています。長女は「潮の香りを感じながら散歩ができるなんて最高ね!」とニコニコしています。

不満は何ひとつない。最上級の暮らし

ひとつの不満を感じることなく、佐野さんは入居を決め、1ヵ月足らずで引っ越しも終えました。

老人ホームでの生活は悠々自適です。メニューを選べる食事は美味しく、まるで毎日、レストランへ来ているかのようです。施設内に完備された温泉も広くて眺めは最高。専属トレーナーがサポートしてくれるトレーニングジム、ゆったり座れるソファーが完備されたカラオケルーム、夜はバーでアルコールも提供されます。

ダーツやビリヤードの置かれたプレイルーム、多くの書籍が並ぶライブラリー、大きなスクリーンが設置されたシアタールーム、ジャグジーのついたプールなど、すべての施設を体験するだけで何週間もかかりました。

生活に疲れてしまった。その理由は……

最高な暮らしを手に入れたはずの佐野さんでしが、入居から3ヵ月ほど経つと「疲れた」と感じるようになり、部屋から出ない日が続きました。自分でも理由がわからなかったのですが、長女が面会にきたときに「ここって、非日常が詰まっているわね。まるで旅行に来ているみたい」と言ったことで合点がいきました。

佐野さんの住んでいた自宅は下町にあり、庶民的な雰囲気に慣れ親しんでいました。スエットの上下で買い物に行っても恥ずかしくなかったですし、近所の人とも気さくに立ち話をしたり、駅前のスナックでちょっと一杯を楽しんだりする毎日でした。

ところがこの老人ホームでは、高齢者ばかりのはずなのに廊下を歩くご婦人はきれいに着飾っています。バーで飲む男性陣はスラックスをはき、襟のついたシャツを着ています。佐野さんも周りに合わせておしゃれをして過ごしてきましたが、無理をしている自分に気づいたのです。

風呂も人に気を遣って大浴場を利用するより、自室でさっと済ませるほうが楽です。カラオケをするならみんなで手拍子をして、ワイワイ騒ぎたい。食事も納豆と芋の煮っころがしに漬物に味噌汁のような、妻の手作りメニューが懐かしくなります。望んでいたのはハイクラスな生活ではなく、庶民的で人情味あふれる日々だったのです。

いかに自然体で暮らせるかが、自分にとっての最上級

現在、佐野さんは老人ホームのコンシェルジュルと相談をしながら、自分の生活したい環境への転居を考えています。老人ホームのランキングは集計する調査機関によって基準が異なります。単純に入居者やその家族のアンケート結果で順位をつけている場合もありますし、居室の広さ、共用設備の数、建物の安全性といったハード面、衛生管理、医療体制、入居者一人に対するスタッフの人数といった介護と医療への取り組みなどを数値化しているケースもあります。

しかし佐野さんの例でもわかるように、人によって求める基準は異なるものです。入居前はグレードの高い設備やソフトに価値を感じてしまうかもしれませんが、実際に生活をするとなれば、入居者が自然体で暮らせるかが大切です。佐野さんのような失敗をしないためにも、老人ホーム選びの際には第三者の意見を聞くのが大事になるでしょう。

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このページの監修者
脇 俊介

株式会社パセリ・株式会社パセリホールディングス取締役 兼「MY介護の広場 老人ホームを探す」統括マネジャー。
2004年に株式会社パセリ入社以来、営業部門にて「スクール検索サイト BrushUP学び」のコンサルティング営業、制作ディレクター、グループマネジャーを歴任。2014年からは新事業部「メディケア事業部」のマネジャーとして、明治安田システム・テクノロジー株式会社との業務提携をおこない、介護施設WEB検索コンテンツ「MY介護の広場 老人ホームを探す」サービスを開始。
現在は取締役業務と兼任し、入居相談員として相談者のサポートをおこなう一方、老人ホーム関連の講演活動にも精力的に取り組んでいる。

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