海外から日本へ永住帰国し、介護施設へ入居するための準備と手続き

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長年住み慣れた海外を離れ、老後は日本に帰国して安心して暮らしたい——。
昨今の円安背景や、日本の質の高い医療・介護サービス、公共交通機関の利便性を理由に、日本への「永住帰国」を検討する方が増えています。 しかし、国をまたいで「介護施設への入居」を目指すには、事前の綿密な準備が欠かせません。いざという時に慌てないための、帰国前・帰国後のステップをまとめました。
※本記事では米国からの帰国の手続きについて記載しています。

  1. ステップ1:帰国前の準備(海外で行うこと)
  2. ステップ2:金融資産・銀行口座の整理
  3. ステップ3:日本到着後の拠点と介護の手続き
  4. ステップ4:高齢者住宅・介護施設選びのポイント
  5. 早めの情報収集が安心への第一歩
  6. 老人ホーム探しのご相談は「マイ介護ホーム 入居相談室」へ!

ステップ1:帰国前の準備(海外で行うこと)

日本へ戻る決断をしたら、まずは「現状の整理」と「逆算したスケジュール立て」から始めましょう。これにより、帰国までのプロセスがスムーズに運ぶでしょう。

住居と資産の整理(空き家対策・売却)

海外に持ち家がある場合、それを売却するのか、賃貸に出すのか、あるいは維持するのかを決定します。
特に売却を考えている場合、現地でのキャピタルゲイン課税や税務申告も必要となるので、事前に確認しておくことが重要です。帰国後に「空き家」状態が続くと管理コストもかかるため、専門家のアドバイスを受けることも検討してください。

在留資格の確認(外国籍取得者の場合)

外国籍を取得した方(元日本人)にとって、これは最も重要なステップです。
例えば米国籍の方は、日本に長期居住するために「在留資格(日本人の配偶者等、または定住者など)」が必要です。この申請には通常5〜6カ月ほどかかる場合があるため、帰国をスムーズに進めるには最優先で取り掛かりましょう。

米国永住権(グリーンカード)の取り扱い

日本へ永住帰国し、米国へ戻る予定がない場合は、原則として米国の永住権(グリーンカード)を返納(I-407提出)する必要があります。
一方で、今後も米国に戻る可能性がある場合は、保持し続ける選択肢もありますが、その場合は事前に米国移民局(USCIS)へ「再入国許可(Reentry Permit)」を申請しておかなければなりません。 保持し続ける場合は、日米両国での税務申告(全世界所得の報告)義務が継続する点にも注意が必要です。

ステップ2:金融資産・銀行口座の整理

介護施設の入居費用や月々の支払いをスムーズに行うためには、お金の通り道をしっかりと整えておくことが非常に重要です。この取り組みは、安心した生活を送るための基本となります。

現地の口座管理

まず、帰国後も継続して管理・手続きできるよう、現地の口座の継続保有の可否を確認しましょう。例えば、銀行の預金口座や定期預金、そして投資運用機関のIRA(個人退職口座)や401k(確定拠出年金)などが含まれます。
各金融機関によって対応が異なりますので細かくチェックすることをお勧めします。非居住者となった後も口座の管理や日本への外国送金手続きができるよう、現地に親族などを代理人として任命する、オンラインバンキングを登録するなど、帰国前に必要な手続きを済ませておくことが重要です。

日本の既存口座とマイナンバー

次に、以前から持っている日本の口座に関して、マイナンバーの登録状況を確認することも大切です。また、長期間利用していないために「休眠口座」となっていないかどうかも確認しましょう。これらのステップは、後々のトラブルを防ぐために不可欠です。

「6カ月ルール」への対策

外国籍を取得している方は、入国後6カ月間は日本の銀行で「居住者」としての口座開設が制限される場合があります。
これにより、入国直後から介護施設費用を支払う必要がある場合には、特に注意が必要です。そのため、あらかじめどのように送金するか、そしてどのような支払いルートを確保するかを十分に検討しておくことが求められます。

行政手続きについては、この記事の監修者でもある蓑田氏が代表を務めるライフメイツ社会保険労務士事務所にご相談ください。海外在住者向けに、日本帰国時に必要な行政手続きの相談や代行をしています。

ステップ3:日本到着後の拠点と介護の手続き

帰国後は、迅速に公的な行政手続きを進め、早急に介護サービスが受けられる体制を整えることが重要です。

住民票の作成と自治体の選定

帰国後、市区町村役場で転入届を出します。これにより、日本の国民健康保険や公的介護保険への加入が可能になります。
ポイント: 特養(特別養護老人ホーム)やグループホームなどの公的施設への入居を希望する場合、その自治体に住民票があることが原則となります。また、住民票を作るには「日本での居住実態(住所)」が必要です。
親族宅を仮住まいにするか、住民票登録が可能なマンスリーマンションを確保するなど、「施設に入る前の一時的な拠点」をどうするか、帰国前に決めておきましょう。

介護保険の申請と要介護認定

必要に応じて介護保険の申請を行い、要介護認定を受ける手続きを開始します。
役所の窓口で申請を済ませた後、自治体の職員による訪問調査が行われます。この調査に基づき、介護が必要な度合い、つまり要介護度が決定します。
要介護度によって受けられる介護サービスの内容や範囲が変わるため、正確な情報を提供することが重要です。一般的に、このプロセスには約1カ月の時間が必要とされるため、帰国後できるだけ早く申請することを推奨します。事前に準備を整えておくことで、不足の事態に備えることができます。

あわせて読みたい:【老人ホーム種類別・介護保険サービス利用料一覧】自己負担額をわかりやすく解説!

ステップ4:高齢者住宅・介護施設選びのポイント

日本全国には多種多様な高齢者向け住宅(サ高住・有料老人ホーム等)が存在します。後悔しない選び方のポイントは以下の通りです。

医療体制や看取り

最も重要なのは医療体制です。特に持病をお持ちの方は、看護師の常駐状況や、緊急時に対応できる提携医療機関が近隣にあるかを確認することが必要です。また、リハビリテーションや専門的な医療ケアの提供がある場合も多いので、これらのプログラムの有無も加味すると良いでしょう。

身元引受人の相談

日本では入居時に「身元引受人」を必要とするケースが一般的です。これは法律上の義務や緊急時の対応を考慮したもので、通常は親族が担います。
しかし、遠方に住んでいたり家族の事情で難しい場合は、身元保証支援を行う法人(一般社団法人など)への相談も一つの選択肢です。

体験入居の活用

サイトの情報だけでなく、実際に数日間「体験入居」をすることで、スタッフの雰囲気や食事の質、他の入居者との相性を肌で感じることができます。気になる施設へは、一時帰国の際に見学に赴くのも一つの手でしょう。

立地とアクセス

施設が便利な場所にあることは、入居者だけでなく親族や友人にとっても訪れやすくなり、コミュニケーションの機会を増やします。買い物や公共交通機関へのアクセスが良いか、周囲の環境が快適か、さらに親しい人たちが定期的に来やすい場所かをしっかり確認しておくと良いでしょう。

老人ホームの探し方については:老人ホームの探し方【フローチャート付】知っておくべきポイントと相談窓口を紹介

早めの情報収集が安心への第一歩

海外からの本帰国と介護施設探しを同時に進めるのは、大きなエネルギーが必要です。「まだ先のこと」と思わず、まずは以下の3点から始めてみてはいかがでしょうか?

1. 現在保有している日本の銀行口座が使えるか確認する
2. 有効な日本のパスポート(または戸籍謄本)の有無を確認する
3. 日本のどのエリアで、どのような老後を送りたいか候補を挙げる


日本での穏やかなセカンドライフを実現するために、今から少しずつ準備を始めていきましょう。

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この記事を書いた人 蓑田 透

一般社団法人ライフメイツ 代表理事
社会保険労務士、1級FP技能士、米国税理士、宅建士の資格を保持し、海外在住の日本人を対象とした「日本帰国・相続・年金・金融コンサルティング」の第一人者として活動。海外居住者の年金記録調査や、帰国に向けた介護施設探し、不動産管理、税務、家族信託を活用した資産管理など、国境を越える複雑な専門手続きをワンストップで代行・支援している。
その豊富な実務経験から、国内・海外を問わず、シニア世代が抱える多種多様なお悩みを解決する「オールラウンドコンサルタント」として厚い信頼を得ている。

蓑田 透

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