85歳の母と「老人ホーム選び」で意見が対立…子都合の施設選びはありか?

遠方に住む母地元を離れられず同郷を拒否幻冬舎ゴールドオンライン
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親子が離れた地域に住んでいる場合、老人ホームをどちらのエリアにするかでもめるケースは少なくありません。頻繁に訪問できるのは子世帯エリアですが、無理強いは禁物。親子ともに安心できる選択方法を老人ホーム選びのプロが解説します。

※プライバシーに配慮し、実際の事例と変えている部分があります。

「親を老人ホームに入居させたいけれど、どの施設にすればよいのだろうか?」「他の人は老人ホームをどのように選んでいる?」
という方向けに、無料で老人ホームのご案内をしています。

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同居を拒否する親。地元の老人ホームに入居すると言い張りますが遠方で心配です

相談者
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質問85歳の母が腰を患い一人暮らしが難しくなりました。同居を提案しましたが拒否され、老人ホームに入居すると言います。手続きや面会を考えると私たちの近所のホームに来て欲しいのですが、地元を離れるのを嫌がります。本人の意思を尊重すべきでしょうか。

MY介護の広場
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回答:老人ホームは「入居させたら終わり」ではないので、利便性を考えると家族の住むエリアが正解です。しかし、実際に生活するのはお母様。本人が納得していないなら地元で暮らすメリット、デメリットを理解してもらったうえで選択してもらうようにしましょう。

頻回な面会か、施設に子世帯が宿泊できるサービスを利用するか

子世帯の近所に住むいちばんのメリットは「面会がしやすい」点です。感染症リスクによる面会禁止も緩和されてきています。子世帯と離れたホームに入ってしまうと、他の入居者が家族と団らんしているのを見て寂しい思いをするかもしれません。距離的な問題で、会いに行かれる頻度がどれくらいになってしまうか、正直なところを伝えておく必要があるでしょう。

手厚いサービスを売りにしている高級老人ホームであれば、家族が宿泊できる部屋が用意されていたり、家族や友人を招いて特別な料理を楽しんだりすることも可能です。そうしたサービスを年に2回ほど利用して、兄弟姉妹が一堂に会する機会を設け、遠くに住むデメリットを解消しているご家族もいらっしゃいます。

面会に加えて、老人ホームで行われる季節ごとの行事に家族が参加できるメリットもあります。地元密着を重視している老人ホームであれば、お祭りやコンサートなど、地域住民や家族を招いたイベントが月に1回開催されるところもあります。お孫さんが参加を楽しみにしている例もありますから、子世帯の近くで入居するメリットとして親御さんに伝えてみると良いでしょう。

知らない土地で鬱になる高齢者もいる

家族が意識しておかなければいけないのは「近い=頻回な面会」と親御さんに期待をさせてしまう点です。地元から引き離して子世帯の近隣に入居させたのに、ほとんど会いに行かないのでは親御さんの不満は募ります。

地元なら入居者だけでなく、ホームのスタッフにも知り合いがいることもあり「寂しさ」は軽減できます。知らない土地、知らない人の中で生活することのハードルの高さを十分理解して、呼び寄せた以上は面会の頻度を高く維持するようにしたいものです。

知らない土地に暮らすことで認知症が進行するケースも少なくありません。すでに認知症を発症している場合には、かかりつけ医師に必ず相談をしましょう。方言の強い地域に住んでいた場合には、言葉が通じないことでイライラする、反対にふさぎ込んで鬱になってしまう高齢者もいるようです。

緊急呼び出しに対応できる「アクセスのよい場所」を選ぶ

遠方で入居した場合、家族は「緊急呼び出し」への対応は覚悟しておきましょう。病気やケガで手術や入院が必要になると家族は同意書を提出しなければなりません。一刻を争う際に、家族の誰が行くのかを事前に話し合っておく必要があります。

病気やケガなどのほかにも、急なトラブルで呼び出されることもあります。たとえば外出したまま戻ってこない、高額な買い物を次々にしてしまう、など。

高額な管理費や入居費を支払っているホームでは、弁護士の紹介までしてくれるところもありますが、成年後見人制度などを利用していなければ家族が出向いて対処しなければなりません。「仕事が忙しい」「子育てで手が離せない」と言い訳ができるものでもありません。

これら急な呼び出しへの対応のためにも、交通のアクセスが良い場所を選ぶのは大きなメリットになります。新幹線の駅や高速道路の出口からの便は確認しておきましょう。

距離よりも大事なのは、家族が老人ホームに興味を持つこと

家族の近くに住むか、遠方に住むかも大切ですが、もっとも大事なのは家族が「老人ホームでの生活」に興味を持ってあげることかもしれません。親御さんがホームのどんなところを気に入っているか、不満をもっていないかを、面会に行かれないのであれば電話や手紙で聞いてあげましょう。共感や励ましによって親御さんの気持ちは上りも下がりもします。お孫さんに「かっこいい場所だね」と言われたことで、「孫に褒められた」と老人ホーム暮らしを誇りにされる人もいます。

親御さんの要望や不満を老人ホーム側に伝えるのも家族の役割です。介護施設では自治体の「有料老人ホーム設置運営指導指針」に定められている「運営懇談会」が定期的に開かれます。ホームの職員、入居者や家族等の代表が集まり、ホームの運営について話し合う場です。

運営状況を公開して、経費が適切に使用されているか、運営に問題はないか、サービスの現状などの説明が行われますが、もちろん家族が要望や不満を訴求することもできます。コロナ禍は書面開催でしたが、今後は対面の会合が実施されると予測されます。施設長の考え方や職員の雰囲気を感じ取るためにも、できる限り出席して親御さんが快適に自分らしく過ごせるようサポートしてあげてほしいと思います。

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このページの監修者
脇 俊介

株式会社パセリ・株式会社パセリホールディングス取締役 兼「MY介護の広場 老人ホームを探す」統括マネジャー。
2004年に株式会社パセリ入社以来、営業部門にて「スクール検索サイト BrushUP学び」のコンサルティング営業、制作ディレクター、グループマネジャーを歴任。2014年からは新事業部「メディケア事業部」のマネジャーとして、明治安田システム・テクノロジー株式会社との業務提携をおこない、介護施設WEB検索コンテンツ「MY介護の広場 老人ホームを探す」サービスを開始。
現在は取締役業務と兼任し、入居相談員として相談者のサポートをおこなう一方、老人ホーム関連の講演活動にも精力的に取り組んでいる。

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